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【発売日】 1986年12月15日
【発売元】 DOG
【ジャンル】 アドベンチャーゲーム

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概要

1986年に発売されたファミリーコンピュータ ディスクシステム用のアドベンチャーゲームです。

ゲーム会社DOGの処女作です。

スクウェアが電気工事会社の一部門からゲーム開発に進出し、ゲーム会社として独立後初めて世に送り出した作品でもあります。

本作は、宇宙の神秘を舞台に、主人公ヒューが仲間たちの失踪事件の謎を追いながら、宇宙に現れる「水晶の龍」に隠された真相を探る物語です。

ゲーム内の独特な世界観や物語が進むごとに明らかになっていく陰謀の謎解きがプレイヤーを引き込み、当時としては斬新なアドベンチャー体験を提供しました。

特徴として特に目を引くのは、当時のアドベンチャーゲームには珍しかったアニメーションが多用されたビジュアルシーンです。

主人公や女性キャラクターの細部にまで描き込まれたアニメ風のグラフィックは、キャラクターデザインと作画に佐藤元氏が関わり、アニメーション部分には日本サンライズ(現・サンライズ)が協力するという豪華な制作体制により実現されました。

特に女性キャラクターの描写は、まるで少女漫画のカラーイラストを思わせる柔らかなタッチで、多くのプレイヤーから高い評価を受けています。

ウィンドウを大きく使ったグラフィックは鮮明かつ精細で、ファミコンの限界に挑戦するかのような美麗なビジュアルが、当時のユーザーに驚きをもたらしました。

本作はプレイヤーの直感や判断力を試す難易度の高さでも注目されました。

シナリオの進行に関わるヒントが少なく、選択肢も多くないため、プレイヤーは自らの推理や思考に基づき、ゲームの謎解きを進める必要があります。

このノーヒントのシステムは、CMでの「君の頭脳にチャレンジ」というキャッチコピーにも表れているように、当時のプレイヤーの判断力や論理的思考を試す意図が込められていたのでしょう。

一方で、ゲーム進行に詰まりやすく、当時のレビューや口コミでも「理不尽さ」を指摘する声も少なくありませんでした。

しかし、この難易度の高さこそがゲームの緊張感を高め、何度も挑戦したくなる魅力のひとつでもあったといえるでしょう。

一方、BGMの少なさも話題となりました。

アドベンチャーゲームでありながら、ゲーム内でBGMが流れるのはタイトル画面とエンディングシーンのみで、物語の大半は無音で進行します。

これについて、当時のゲーマーからは賛否が分かれました。

特にアクションゲームが主流だった当時のファミコンにおいて、ゲーム中にBGMが流れるのは一般的で、音楽が物語の緊張感を高める役割を果たしていました。

そのため、BGMの欠如が「盛り上がりに欠ける」と指摘されることも多く、アドベンチャーゲームとしての完成度に物足りなさを感じるプレイヤーもいたようです。

物語の長さについても、ゲームの評価の分かれどころです。

シナリオは短く、効率よく攻略してしまうと20分以内でクリアできてしまうというボリュームの少なさが惜しまれました。

そのため、当時の雑誌レビューやプレイヤーの口コミの中には、「ストーリーの展開が速すぎて、あっという間に終わってしまう」との感想もありました。

しかし、短いながらもSF的なテーマとミステリーの要素が上手く組み合わされ、宇宙の謎に迫るスリリングな展開がファンからは支持されています。

注目された事案もありました。

ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータマガジン』の裏技紹介コーナーで「ヒロインのシンシアと野球拳ができる」という虚偽情報が掲載され、話題となりました。

この情報はプレゼントクイズ用に作られたジョークでしたが、これを真に受けた多くのプレイヤーがソフトを購入した結果、全国で在庫切れの事態に発展しました。

このような経緯があったため、当時の雑誌やテレビでも「話題性のあるゲーム」として紹介され、一躍注目の的となりました。